今日のテーマは『介護アロマ』です。
私が介護アロマに興味をもったキッカケは、両親の老々介護生活を、少しでも心地よく過ごすサポートが出来たら…
という思いからでした。
色んな要素があるので、3回くらいに分けてご紹介しますね。
初回は、自宅介護を受けるようになった父に、アロマケアを取り入れたプロセスをお話します。
ある日突然、父が脳出血で倒れ、要介護5の状態になりました。
まだ70歳過ぎたばかりで、元気に畑仕事なども楽しんでいたのに…
最初に知らせを受けた時は、とてもショックで、頭が一瞬真っ白に…
半身麻痺の後遺症が残り、リハビリ療養期間を経て、母が自宅で老々介護をすると決めました。
そこには、父の強い希望もありました。
自宅介護での老々介護が占める割合は5割以上となってます(2018年の厚生労働省『国民生活基礎調査』より)
要介護度3以上では介護にかける時間がほとんど終日である割合が多く、老々介護の増加と大変さを表しています。
両親の状況も、まさに当てはまります。

自宅での老々介護は厳しいよ…体が持たないよ…など色々な思いがありました。
もちろん、施設への入所という選択肢もあります。
でも、母と父の間で結んだ固い約束・思いは、夫婦にしかわからないこともあります。
周りから見てどんなに大変そうでも、その選択を本人が満足し、生活が継続可能なうちは、その思いを尊重しながら見守りサポートする。
最終的には、それが最善の選択と、今は思っています。
そう思えるようになったのも、後々、訪問看護に携わるようになってからです。
渦中にいるときは、これで良いかな?
もっと良い方法や選択肢があるのでは?と悩みました。
もちろん社会資源も利用し、子供たちも、それぞれの立場でできるサポートをしました。
遠方に住んでいる私は、1~2か月に1度は実家に帰省し、両親の老々介護をサポートすることに。
最初はお互いに、自宅介護の環境に慣れるのに精一杯でした。
脳出血の後遺症で、麻痺も残り、言葉も以前のようにはスッとでてきません。
全てにおいて人の支援をうけながらの生活…
ガラッと変わってしまった父の生活…
表情にも、意欲にもそれが表れます…
夜中に何度も目が覚めたり…
朝方に下肢の筋硬直がおきて辛かったり…
そんな中、少しでも心地よい時間を持てるよう、アロマケアを両親へ提供することにしました。
今思うと、父がさせてくれてたのだと感じます。
こんなにゆっくり父の手に、足に触れる機会はあっただろうか…?
子供の頃の、肩車をしてもらったり、遊んでもらった記憶がよみがえります。

言葉にすると照れくさい感謝や愛の思いを込めて、ゆっくり優しく触れるトリートメント。
アロマトリートメントは、父とゆっくり向き合う時間となりました。
(どんなトリートメントだったのか?詳細は介護アロマへの思い③を見てね!)
途中、父が静かに私の顔をじーっと見つめる時間があったかと思うと、その後目を閉じ、スースー寝息が聞こえてきます。
いつも夜中に何度も目を覚まし、大きな声で母を起こすのですが…
この日はなんと4~5時間、グッスリ眠れたんです!!
関節拘縮予防のリハビリや、皮膚の保湿にも役立ちました。
そしてなにより、私にとって父との繋がりをサポートしてくれる大切な時間となりました。
人は、いつかはあの世へ旅立ち、この世での別れを迎えます。
アロマケアで感じた経験は、その時の支えとなり、予防的なグリーフケアにも繋がります(自分の体験として…)。

このように、香りとタッチケアを感じる時間は、ただのリラクゼーションではなく、双方にとって豊かな時間であったと感じてます。
また、介護者の母にとっても、久しぶりにゆっくり眠れる時間となりました。
このような老々介護生活が、約3年半続きました。
色んなサービスも利用し、支えて頂いてましたが、介護者であった母の負担はとても大きかったと思います。
介護アロマは、介護する方のレスパイトケアとしても役立ちます。
香りやタッチケアは、自宅介護をされている方の暮らしにどんな影響があるのか?
次回は、介護者(ケアする側)にとってのアロマセラピーにお話ししていきます。
