
両親の老々介護では、デイサービスやショートステイ等の社会資源を活用しながら、家族もできる限りのサポートをしました。
それでも、要介護度5の父を自宅介護するのは、とてもエネルギーを使います。
私は、1~2か月に1度、定期的に帰省し、4~7日ぐらい一緒に過ごしました。
父の介護はもちろん、母のレスパイトケア目的が大きかったです。
前回のブログでも触れましたが、厚生労働省の『国民生活基礎調査(2018年)』によると、自宅介護での老々介護の割合は5割強。
主な介護者は、「配偶者」が 25.2%で最も多く、次い で「子」が 21.8%。
性別をみると、女性が 66.0%と多く、要介護度が3以上になると、介護時間がほとんど終日と答えられる割合いが増えます。
介護者の約7割が日常生活での悩みやストレスを「ある」と答え、その内容は「家族の病気や介護」が 約75%、次いで「自分の病気や介護」が 約30%となっています。
多くの高齢者女性が、悩みを抱えながら介護しているという現状が伺えます。

その中で、私が母にしたアロマケアは…
一つは芳香浴!
アロマスプレーを作ったり、アロマストーンに直接精油を垂らして空間のリフレッシュをはかりました♪
初めてアロマスプレーで香らせた時、
『わあ~!生活の中に華やかな香りがあるっていいね!!』
と予想以上に喜んでくれた母。
今でも、その時の喜びの声が忘れられません。
香りで、こんなに喜んでもらえるなんて・・・
要介護5の父を自宅で介護することは、自宅の空間が生活の全てになってきます。
空間を仕切っても、どうしても生活していく上での臭い等、様々な影響があります。
又、なかなか外へゆったり外出する時間や心のゆとりもありません。
そんな中、日常の空間に好きな花や木の香りがあるって、すごくリフレッシュにつながるんです!
イメージでいうと、生活に爽やかな色が添えられる感じでしょうか…
毎日繰り返される介護生活…。
その中で、小さなリフレッシュ・喜びを持つことも大切だと思ってます。
ストレスをためるコップが満杯になって溢れないように…
自然の力は偉大です…。

二つ目のアロマケアは、アロマトリートメントです。
香りとタッチングの要素が相まって、心もカラダも緩み癒されます!
父の介護ベッドの横に布団を敷き、一緒の部屋で寝ていた母。
その布団の上で、寝る前にアロマトリートメントをしました。
介護生活では、足・腰に負担がかかりやすいです。
24時間介護にたずさわる緊張感や疲労、睡眠不足もあります。
疲れている部分を中心に、そしてリラクゼーション目的も兼ねて
背中~腰~足を中心に、ゆっくりトリートメントしていきました。
香りは、母の好きな香りをチョイス。
ローズ、カモミールローマン、やラベンダーを使って…

『うあ~すごく温かい手だね!気持ちいいよ~。このまま4~5時間、ぐっすり眠りたいわ~』と母。
トリートメントをしていると、父が麻痺のない手でベット柵をぐっとつかみ、体をこちらに向けてのぞき込んでました。
父の残されている力に驚き、私達を興味津々にのぞき込み姿には、思わず母と一緒に笑ってしまいました!
40歳過ぎて、親子でこんな豊かな時間をゆったり過ごせたことを幸せに感じました。
そして、普段聞くことがなかった、母の幼少の頃の話、思いを聞く機会にもなりました。
トリートメントが終わる頃には母の寝息が聞こえてきます。
この日は、両親ともに、4~5時間ぐっすり眠れました!
翌朝はとっても素敵な夢を見たそうですよ(*^-^*)

色んなサポートが増えると、母自身の表情も穏やかになり、それが父へも影響します。
アロマケアは、それを手助けしてくれる一つのツール。
今の国の医療政策は、病院から在宅へという流れになり、
1人1人の自助努力はもちろん、地域・家族の力も求められます。
だからこそ、支える家族のケアも大切したい!
高齢者の介護生活は、最後は病気が治る・治らないの物差しでは測れず、
『ご本人・ご家族が、いかに満足でき最後まで生ききれるか』が大切に感じます。
その思いが、介護アロマへと繋がっています。
この世界は、数字やデーターだけでは拾えないことが多々あるので、
ナラティブ(物語)風に綴りました。
何か感じ取って頂き、将来、自宅でアロマケアを取り入れたい思われた方
今、まさに取り入れたいなと思われた方
どうぞお気軽にお問合せ下さいませ(*^-^*)
ご自身で提供もできますし、出張アロマケアという形で私が伺うこともできます。
次回は、介護アロマへの思い③最終回~父の変化と介護アロマの可能性をお伝えします。