脳出血の後遺症で半身麻痺になり、要介護度5の状態になってしまった父。
色んなサポートを受けながら、自宅介護をしていた母。
最終回は、実際に父へ提供したアロマケアの内容と、
その後の父の変化を、紹介させて頂きます。

実際のアロマケアでは、足浴・ハンドトリートメント・下肢のトリートメントを組み合わせて行いました。
父の身体的負担を考えて、デイサービスで入浴した日は、寝る前にハンドトリートメント。
デイサービスがない日は、リハビリも兼ねて、日中に足浴+下肢のトリートメント。
という内容です。

使った精油は真正ラベンダー、精製のホホバオイルに0.5%濃度に希釈して使いました。
心疾患もあり、抗凝固剤なども内服してたので、エフルラージュやホールディング等、優しいタッチの手技を中心のトリートメントです。
変化としては、夜間、眠れる時間が増えたということ。
必ず2~3時間に一度は起きていたのが、4~5時間眠れている日も!
特に、寝る前にトリートメントをすると、寝つきがとても良いです。
その他、時々おこる下肢の筋肉の硬直に対しては、苦痛がやわらぎ、表情が穏やかになりました。

そして何より私が驚いたことは…
記憶への働きかけです。
脳出血後、徐々に、脳血管性の認知症のような症状があらわれてきました。
覚悟はしてましたが、自分のことを娘と認識できてない…ってことがわかる時は、家族として悲しいものです。
自分からの発語も減り、会話も続かなくなります。
日によって波があり、時折見せてくれる父の底力というか、残されている力を見せてくれた時は、とっても嬉しく家族みんなで喜びます!!
笑える・自分で動ける・自分で決められる等、普段当たり前のようにしていることが出来た時、とても幸せを感じます。
そんな中、4~5日間、続けてアロマケアをしていた翌朝、隣の部屋から父の大きな声で私の名前を呼ぶ声が聞こえました!!!
『ちかこ~ちかこ~。 おーい。』
え?私の名前を呼んでくれた??
それはもう、とても力強い、大きな声でした。
一言では言い表せませんが、両親へのアロマケア・家という場所が持っている力など、色んなことが相まって、父の記憶の想起へとつながったのでしょう…。
感激しました。
継続して認知機能が改善されるというわけではありません…
でも、一時的にでも残されている力が引き出され、家族にとっての喜びにも繋がる
それは今ある状況の中で喜びを持って暮らすことへ繋がります。

最後に、介護アロマの可能性について…
年齢を重ねると、皆さん何かしらの病気や加齢に伴う身体機能の低下・生活面への影響がでてきます。
だからこそ、病気を持ちながらでも、幸福感・満足感・安寧を感じられるwell being(幸せ感)という視点も大切になってきます。
介護アロマは、まさに、その『幸せ感』に働きかけます。
それも、ご本人と介護者の双方に…
さらには、冷えや浮腫み・関節の拘縮など、高齢者が抱える苦痛症状が和らぐ手助けにもなります。
結果的に、身体的な健康にも働きかけます。
このような素敵なケアを、必要としている方に知って頂きたい…
そして
家族が家族に提供できる方法
専門家のサービスを利用する方法
その方・ご家族にあった方法で、安心して利用できる体制を作っていきたいと考えてます。
3回にわたる『介護アロマへの思い』、読んで頂いた皆様、ありがとうございました!
ご希望・ご意見等がありましたら、お問合せフォームからコメント頂けると嬉しいです(*^-^*)
